■ストーリー
大学生のTさんは困っていた。友人にゲームを貸したのだがいつまでたっても返してこない。催促をしようと電話しても留守電になっていて本人が電話に出ないのだ。コレはおかしいと思ってその友人の家を訪ねてみた。
その友人は別人のような顔つきになっていた。顔はやつれ、しきりに周りに視線を向けている。なにがあったんだ、とTさんが聞いても「見られている」と繰り返すばかり。視線の先には部屋のありとあらゆる隙間にガムテープが張ってあるという異様な光景があった。
気持ち悪くなり、帰ろうとすると友人がいきなり「紹介したい人がいるんだ」とTさんに言いだした。
次の日、その紹介したい人と一緒にTさんの家にその友人が来るというのだがなぜか友人1人だった。その友人も用事があるからといって部屋に上がってまもなく帰ってしまった。その表情は昨日のやつれた表情ではなく、晴れやかな顔だった。
何だったのだと思いながら友人を見送り自分の部屋に戻ると背筋にひんやりとした悪寒を感じた。なにかがおかしい。部屋には自分1人なのに誰かからの視線を感じる。何かが自分の部屋にいる。自分を見ている。
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